2010年10月04日

眼華

ganka.jpg


眼華という言葉があるのかどうかはあやふやだけれど、何かの書物を読んでいてその言葉を見つけたのだ。それは突如として視界の中に欠落が生じ、物のかたちが欠けて見える状態を言うのだ。その時目の周辺には隈どるような花弁に似たちらつきがあらわれ、ちかちか光りながら廻りはじめる。花弁というよりは歯車といった方が当たっているかも知れない。完全な輪が結ばれているのではなく、どこかが欠け、はじめは小さく鮮明なのが次第にその輪を大きく広げぼやけてきて、やがて後頭部にしりぞく感じになって消えてしまう。


島尾敏雄著『魚雷艇学生


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