2008年は地球温暖化にかかわる懐疑論を主張する本が爆発的に出版された年として特徴づけられる。洞爺湖サミットに向けての、メディアにおける環境の議論は「温暖化バブル」とでも言うべき状態で、「環境問題」を地球温暖化に集約し、その解決のみが環境の対策であるとも言わんばかりの異常な状態であったが、その一方で、地球温暖化の原因がもっとも中心的な温室効果ガスである人間由来の炭酸ガスの増加にあるということに対する懐疑論から、地球温暖化がネガティブではないという議論、果ては地球温暖化自身をも否定する議論が噴出した。
地球温暖化のみを問題化し、多様でもっと本質的な環境の問題を見ることができないのはもちろん問題であるし、地球温暖化に関する「事実」に不確実性が高いのも事実である。しかし、だからといって懐疑論を声高に主張し、環境対策自体を否定することは本質を見誤っている。そもそも、問題が「不確実性」にあり、今までの人間の環境にかかわるあり方を根本的に見直し、不確実性を前提としてどのような問題解決をしていくべきか、ということが「環境問題」ということの本質であるはずである。(亀頭秀一、「みすず」09年1-2月合併号)
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